ピロリ菌の培養・薬剤感受性検査
胃内視鏡で採取した胃粘膜の組織からピロリ菌を培養し、抗菌薬への感受性を調べます。除菌薬の選択に役立つことがあり、感染の有無を調べる呼気検査とは目的が異なります。
検討される場面
除菌治療後も感染が続く場合、特に治療が繰り返し不成功となった場合に検討します。過去の治療、服薬状況、アレルギー、地域の耐性情報を踏まえて判断します。
初めて感染が分かった方全員に培養や胃内視鏡が必要なわけではありません。以前の処方、抗菌薬の使用歴、除菌判定の結果をご持参ください。
採取と準備
通常は胃内視鏡で胃粘膜を採取します。培養には専用の採取・輸送手配が必要なため、事前に検査室と調整します。通常の病理検体がそのまま培養に使えるとは限りません。
胃酸を抑える薬、抗菌薬、ビスマス製剤は検出感度を下げる場合があります。一般にPPIは約2週間、抗菌薬とビスマス製剤は約4週間の休薬が必要になることがありますが、処方薬を自己判断で中止せず医師の指示に従ってください。絶食、鎮静、内視鏡のリスクも個別に確認します。
結果の限界
菌が培養できれば、特定の抗菌薬への感受性や耐性を調べます。対象薬や所要時間は検査室で異なります。治療選択の参考になりますが、除菌成功を保証するものではありません。
ピロリ菌は培養が難しく、薬、採取、輸送、処理が結果に影響します。培養陰性でも感染を否定できません。状況により遺伝子による耐性検査を検討しますが、検出できる耐性の範囲は培養と異なります。
治療と除菌判定
結果だけでなく以前の治療や薬の忍容性も踏まえて処方します。抗菌薬を自己判断で変更しないでください。培養・感受性検査だけでは治療後の除菌判定を代用できません。
通常は抗菌薬終了から少なくとも4週間後に、尿素呼気検査または適切な便中抗原検査で確認します。胃酸を抑える薬などの扱いは指示に従ってください。抗体の血液検査は除菌判定には適しません。